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横浜地方裁判所 昭和43年(ワ)814号 判決 1971年3月15日

原告

安藤たね

ほか一名

被告

松岡明男

ほか一名

主文

被告両名は、各自原告安藤たねに対し金六八三、九四五円及びこれに対する昭和四三年六月二日以降完済迄年五分の金員を、原告安田五郎に対し金四八二、〇九〇円及びこれに対する、被告松岡は昭和四四年三月四日以降、被告守屋は同年三月一日以降各完済まで年五分の割合による金員の支払をせよ。

原告両名の各請求中その余はいずれもこれを棄却する。

訴訟費用はこれを一〇分し、その七を原告両名の、その余を被告両名の負担とする。

事実

第一、当事者の求める裁判

一、請求の趣旨

被告両名は各自、原告安藤たねに対し金三四八万円及びこれに対する昭和四三年六月二日以降完済まで年五分の金員を、原告安田五郎に対し金二八〇万円及びこれに対する被告松岡は昭和四四年三月四日以降完済まで、被告守屋は同年三月一日以降完済まで、いずれも年五分の金員の各支払いをせよ。

訴訟費用は被告両名の負担とする。

との判決ならびに仮執行宣言。

二、請求の趣旨に対する

原告両名の請求はいずれもこれを棄却する。

訴訟費用は原告両名の負担とする。

との判決。

第二、当事者の主張

一、請求の原因

(一)  事故の発生

被告松岡は昭和四一年五月二〇日午後七時二〇分頃自動二輪車(仮神四三五三号、以下被告車という。)を運転し、横浜市保土ケ谷区今宿町八七九番地先道路を、横浜駅方面から八王子方面に向けて、時速五〇キロメートルで運行中、同所において自転車に乗つて左側から右側へ道路を横断しようとしていた安田孫市(当時四九年)に自車前部を衝突させ、同人を路上に転倒させて、よつて同人に対し頭蓋破裂等の傷害を負わせ、同日午後九時二八分頃、横浜市神奈川区富家町五五番地済生会神奈川県病院において死亡させた。

(二)  責任

1 被告松岡の責任

被告松岡は本件事故の発生した道路を日常通行しており、本件事故現場附近に横断歩道があり、その五メートル手前には一時停止線が設けられていることも熟知していたのであるから、自動車の運転者としては、このような横断歩道のある場所にさしかかつた際は、前方左右に注意し、横断者の有無、その動静等によつては減速・徐行、更には一時停止するなどの方法により事故を未然に防止すべき注意義務があるというべきである。

しかるに、被告松岡は前方及び右側方を注意したのみで左側方への注視を怠つて漫然と時速五〇キロメートルの速度で進行したため、前記安田孫市を約九・三メートルまで接近して漸く発見したという過失によつて本件事故を惹起したものである。

また、被告松岡は、先行する友人の阿部三喜男運転の自動二輪車が道路左端を進行しハンドルを左にきることによつて前記安田孫市との衝突を避けることができたのに反し、被告松岡は道路交通法に違反して阿部の右後方即ち道路の中央線寄りを進行していたために本件衝突を避けることができなかつたのである。

よつて、被告松岡は民法第七〇九条により本件事故によつて生じた損害を賠償する責任がある。

2 被告守屋の責任

本件被告車は自動車修理業を営む被告守屋が、訴外大和自動車から修理のため預り保管していたものである。

被告松岡は昭和四一年三月頃から修理工のアルバイトとして被告守屋方に勤め、被告守屋の四輪自動車を借り受けて通勤していたが、本件事故発生の昭和四一年五月二〇日の二日位前から被告車を借り受けて通勤に使つていたものである。

ところで、一般に自動車修理業者が修理のため自動車を預つた場合には、少くとも修理や試運転に必要な範囲での運転行為を委ねられ、営業上自己の支配下においているものと解すべきである。

そして、当該自動車が修理業者の被用者によつて運転された場合には、その運行は特段の事情のないかぎり客観的には使用者たる修理業者の右支配関係に基づき、その者のためになされたものとみるべきである。

本件はまさに右の一般論にあてはまる場合であるから、被告守屋は自動車損害賠償保障法第三条により、自己のために自動車を運行の用に供するものとしての損害賠償責任を免れない。

また、右と同様に、修理業者の被用者たる修理工が修理のため委託を受けた自動車を運転することは、その運転の具体的動機の如何にかかわらず、客観的には使用者の業務の執行というを妨げないから、被告守屋は民法第七一五条第一項により、使用者としての損害賠償責任がある。

(三)  損害

1 亡安田孫市の逸失利益 金四、六四七、九四四円

被害者亡安田孫市は本件事故当時四九才であつたから、本件事故がなければ少くとも六五才まで、即ちなお一六年間稼働し、通常の収入を得ることができたものである。

亡孫市の死亡当時の一ケ月平均収入は金四九、六〇〇円、その生活費は一ケ月金一六、六〇〇円であつたから、その純収入は一ケ月金三三、〇〇〇円である。

よつて、ホフマン式計算法により一六年間の得べかりし利益の現在価額を計算すれば、金四、六四七、九四四円となる。

2 病院・葬祭費 金一七二、八五一円

安田千代は本件事故により死亡した夫孫市の病院・葬祭費として金一七二、八五一円を要した。

3 慰藉料

(イ) 安田千代は夫孫市との間に子がなく夫婦二人だけの生活であつたから、夫をひたすら頼りにして生活していたのであるが、本件事故によつて夫孫市をうしなつたため、その失望落胆は大きく、その精神的苦痛は甚大である。

よつて、その慰藉料は金一五〇万円を相当とする。

(ロ) 原告安田五郎は本件事故によつて長男孫市をうしない、その精神的苦痛は大きく、慰藉料は金一〇〇万円を相当とする。

4 相続等

前記損害中、1の亡孫市の得べかりし利益金四、六四七、九四四円は、亡孫市の妻である安田千代と父である原告安田五郎において各1/2(金二、三二三、九七二円)宛相続したものである。

従つて、安田千代の損害賠償請求金額は合計金三、九九六、八二三円、原告安田五郎のそれは金三、三二三、九七二円となるところ、右安田千代及び原告安田五郎は本件交通事故に基づく自動車損害保険により金一、〇一〇、二〇二円、被告松岡より見舞金として金二万円、合計一、〇三〇、二〇二円を受領し、これを右両名の相続分に応じて二分し、各金五一五、一〇一円を各自その損害に充当した。

そこで、安田千代の損害賠償請求金額は金三、四八一、七二二円、原告安田五郎のそれは金二、八〇八、八七一円となる。

ところが、右安田千代は昭和四三年七月一九日に死亡し、同女の右損害賠償請求権は同女の母である原告安藤たねが唯一の相続人として相続したものである。

(四)  よつて、被告両名に対し、原告安藤たねは金三、四八一、七二二円のうち金三四八万円及びこれに対する訴状送達の翌日である昭和四三年六月二日以降完済に至るまで民法所定の年五分の割合による遅延損害金の支払いを、原告安田五郎は金二、八〇八、八七一円のうち金二八〇万円及びこれに対する訴状送達の翌日である昭和四四年三月四日以降(被告守屋は同年三月一日以降)完済に至るまで民法所定の年五分の割合による遅延損害金の支払いを求める。

二  請求原因に対する被告両名の認否

(一)  請求原因第一項(事故の発生)記載の事実については、被告松岡は認め、被告守屋は不知である。

(二)1請求原因第二項1(被告松岡の責任)については被告両名とも否認し、次のように述べた。

原告両名は本件事故現場附近に横断歩道及び一時停止線が設置されていることをもつて被告松岡に自動車運転者として前方左右の注視義務、減速、徐行義務(場合によつては一時停止義務)があつたと主張するが、そもそも横断歩道はその設置目的及び道路交通法(以下道交法と称す)第三八条の趣旨から明白なとおり横断歩道上の歩行者保護のためのものであるところ、被害者亡安田孫市が乗つていた自転車は、道交法第二条八号、一一号により車両であることは明白であるから、本件事故においては横断歩道等の存在は被告松岡の過失には関係がない。

ところで、本件事故現場は被告松岡の進行した道路(幅員一五・五メートルの一般国道)と被害者亡安田孫市の進行してきた幅員四・〇メートルの道路がT字型に交差する交差点であるから、被告松岡の進行道路は明らかに広い道路(道交法第三六条第二項)に該当し、従つて被告松岡に進行の優先権があり、亡安田孫市の側に徐行義務及び被告松岡の車両の進行を妨げてはならない義務が存在したのである。

なお、被告松岡の徐行義務の有無については、道交法第四二条の徐行義務と同法第三六条による優先通行権の関係の問題であるが、これについては優先通行権のある車両には徐行義務はないとするのが最近の判例であるから被告松岡には徐行義務はなかつたというべきである。

又原告両名は松岡には道路の左寄りを進行すべきところ、道路の中央よりを進行した過失があると主張するが、被告松岡に仮に右の道交法第一八条第一項の義務違反があるとしても、それは本件事故と因果関係がない。

即ち、道路の左寄りを進行していた先行車の阿部三喜男ですら、ブレーキを踏むと同時にハンドルを左に切つて、まさに自己の身を犠牲にして亡安田孫市との衝突を避けたのであり、被告松岡が右阿部の後方を走行していても亡安田孫市と衝突したであろうことは容易に推定できるところである。

以上によれば、本件事故は亡安田孫市が、被告松岡の優先通行権を無視し、徐行義務に違反して、本件道路のような交通量の多い道路に何の合図もなく突然しかも無灯火で飛び出してきたために発生したものであることは明らかである。

2 被告守屋は請求原因第二項2(被告守屋の責任)を否認し、次のように述べた。

被告松岡の被告車の運転は同車の修理の過程において試運転をなしたり或いは顧客に届ける等被告守屋の修理業務に附随してなされたものではなく、しかも被告松岡の通勤のために使用することも被告守屋において禁止していたものである。

(三)  請求原因第三項(損害)については被告松岡は保険金及び見舞金の支払いがあつたことは認め、その余は全て不知であると述べ、被告守屋は全て否認した。

三、被告守屋の抗弁

仮に被告松岡の被告車運転行為が被告守屋の業務の執行にあたるとしても、被告守屋は被告松岡の選任監督に相当の注意を尽していたものであるから本件事故による損害を賠償する責任はない。

四、被告守屋の抗弁に対する原告両名の認否

争う。

第三、証拠〔略〕

理由

一、〔証拠略〕によれば、請求原因第一項(事故の発生)の事実(これは被告松岡との間では争いがない。)及び被告松岡の進行した道路が幅員一五・五メートル(内訳舗装部分一三・七メートル、未舗装部分一・八メートル)の一級国道であり、被害者亡安田孫市の進行してきた道路は幅員四・〇メートルであること、本件事故現場は前者に後者が八王子方面に向つて左側にT字型に交差する交差点であること、従つて道路交通法第三六条により被告松岡に優先通行権があり、亡孫市に徐行義務及び優先通行権のある車両の進行を妨げてはならない義務があること、被告松岡は本件事故現場附近を熟知していたこと、本件事故の直前まで被告松岡は友人である阿部三喜男の運転する自動二輪車の右後方(中央線寄り)を追従していたこと、ために左前方は阿部にさえぎられて見えにくい状態であつたこと、事故当時は既にあたりは暗くなつていたこと、にも拘らず亡孫市の自転車は無灯火であつたこと、しかも亡孫市の自転車は本件事故現場である交差点に突然進入してきたこと、被告松岡は亡孫市をわずか九・三メートルまで接近してはじめて発見し、ハンドルを右にきるとともに急制動の措置をとつたが衝突を避けることができなかつたこと、これに対し前記阿部三喜男はハンドルを左にきるとともに急制動の措置をとつてかろうじて亡孫市との衝突を回避したこと、の各事実がいずれも認められる。

二、ところで、自動車運転者としては、本件事故現場のような交差点を進行するにあたつては自己に優先通行権があるとはいえ、なお前方及び右方は勿論左側方をも充分注視し、交差点に進入する車両の有無を確認し、もしそのような車両があれば、減速・徐行する等して衝突事故を未然に防止すべき注意義務があると云うべきである。

ところが、前記認定の如く阿部三喜男の自動二輪車が先行し被告松岡はその右後方を追従していた(並進的走行態勢)ため、左前方が阿部にさえぎられて見えにくい状態にあつたのであるから、同被告としては本件事故現場を進行するに際しては、左前方の安全を確認できる位置に進路を変更するか、又は減速・徐行して、仮に交差点に進入し或いは進入しようとする車があつたとしても衝突・接触等の事故を未然に防止することのできる措置をとつて進行すべきものであつたのである。

それにも拘らず、同被告はかかる注意義務をいずれも怠り、漫然と進行した過失により左側方より前記交差点に進入してきた亡孫市を発見したときは既に遅く、遂に衝突を避けることができなかつたのである。

なお、原告両名は本件事故現場附近に横断歩道及び一時停止線が存在すること(前記各証拠によつてこれを認めることができる。)を理由に被告松岡に減速・徐行義務或いは一時停止義務があると主張するが、本件事故は自動二輪車(車両)対自転車(車両)の事故であるから、右横断歩道等の標示の存否は被告松岡の注意義務の直接の根拠となるものではないと解するを正当とするから、右の主張は失当である。

他面、被告両名は被告松岡が道路左端を進行していても本件事故を避けることができなかつたであろうことは推測に難くない旨主張するが、同被告に先行していた阿部三喜男が被害者との衝突を避けえていること及び同被告が適当な車間距離と速度を保持して阿部のオートバイに追従していたならばかかる事故を惹起しなかつたであろうこと(すでに認定したとおり、同被告は阿部の自動二輪車の右後方に並進的態勢で走行していた。)をもつてしても、その理由のないことは明らかである。

よつて被告松岡が民法第七〇九条、第七一〇条により本件事故により生じた損害を賠償する責任を負うことは明白である。

三、〔証拠略〕によれば、被告守屋が本件事故当時自動車修理業を営んでいたこと、被告松岡が昭和四一年三月中旬頃から手伝いとして被告守屋方に勤務していたこと、被告松岡は当初バスで通勤していたが、間もなく被告守屋から軽四輪自動車を貸与され、同年五月一八日頃迄これで通勤していたこと、本件事故車はその頃、修理のうえ販売することを目的として訴外大和自動車より被告守屋が委託されていたものであること、本件事故の前日である昭和四一年五月一九日には被告松岡は被告守屋の承諾をえて本件事故車で通勤していること、事故当日も被告守屋は被告松岡に対し、特に本件事故車の使用禁止などの指示はしていなかつたことの各事実を認めることができ、この認定を妨げる証拠はない。

一般に、自動車修理業者が顧客より修理等のため自動車の保管を委託されている間は、その修理・試運転等に必要な範囲内で自動車を運行することは当然であり、全体としてその自動車を自己の支配下において修理代金等の利益を享受しているものであるから、修理業者を自動車損害賠償保障法第三条の「自己のために運行の用に供する者」と解すべきであることは原告両名が主張するとおりであるところ、前記認定事実によれば本件事故車と被告守屋の関係はまさに右に該当し、しかも被告守屋は被告松岡に対し、本件事故車をその通勤のために使用することを承諾していたと認められるのであるから、被告守屋が、自賠法第三条本文、第四条、民法第七一〇条に則り被告車の進行により生じた本件人身事故の損害を賠償すべき責任を負うことは明らかである。

従つて、原告両名主張の被告守屋の民法第七一五条の責任(使用者責任)及び被告松岡に対する選任監督義務を尽していたとの被告守屋の抗弁についてはあらためて判断するまでもない。

四(一)〔証拠略〕によれば、亡孫市は本件事故当時四九才(大正六年三月二日生)の健康な男子であり、自分で工場を持つことを希望に精勤していたこと、昭和四〇年一〇月から同四一年五月迄の平均月収は金四九、六〇〇円であつたこと、亡孫市には子供がなく妻安田千代と二人暮しであつたことがそれぞれ認められる。

このような場合においては、亡孫市の生活費は経験則上その収入の1/3と判断すべきところ、原告両名はこれを一六、六〇〇円と主張する(これは四九、六〇〇円の1/3を超過している)のでこれを右月収から控除すれば、亡孫市の一ケ月の純収入は三三、〇〇〇円となる。

亡孫市が六五才まで即ち本件事故後なお一六年間稼働しえたことは裁判所にとつて顕著な事実であるから、この間の得べかりし利益からホフマン式計算法によつて中間利息を控除すれば金四、六四七、九四四円となる。

(二)  亡孫市の妻安田千代が、亡夫の病院・葬祭費として金一七二、八五一円を要したことも経験則上明らかである。

(三)  安田千代は夫孫市との間に子がなく夫婦二人きりの生活であつたから夫をひたすら頼りにして生活していたのであるから、本件事故によつて、その夫をうしなつた精神的苦痛は甚大であり、その慰藉料は金一五〇万円を相当と考える。又原告安田五郎は本件事故によつて長男孫市をうしなつたのであるからその精神的苦痛に対する慰藉料は金一〇〇万円を相当と考える。

(四)  ところで安田孫市の死亡により、前記(一)の同人の得べかりし利益を同人の妻安田千代、父安田五郎において各1/2(金二、三二三、九七二円)宛相続したから、安田千代には合計金三、九九六、八二三円、原告安田五郎には合計金三、三二三、九七二円の各損害が発生した。

五、ところが、前記一で認定の事実により明らかな如く亡孫市には過失があつたものといわねばならず、しかもその過失の程度は甚だ大きいと云わねばならない。

そこで、被告松岡と亡孫市の過失の割合は被告松岡三、亡孫市七を相当と考える。

よつて、この割合で過失相殺をすれば安田千代には金一、一九九、〇四六円、原告安田五郎には金九九七、一九一円の各損害賠償請求権があつたことになる。

六、しかして、安田千代及び原告安田五郎は本件交通事故に基づく自賠責保険により金一、〇一〇、二〇二円、被告松岡より金二万円、合計金一、〇三〇、二〇二円を受領し、これを右両名の相続分に応じて二分し、各金五一五、一〇一円を各自その損害に充当したことは原告両名の自陳するところであるからこれを控除した金六八三、九四五円、金四八二、〇九〇円がそれぞれ安田千代、原告安田五郎の被告両名に対する損害賠償請求額となる。

七、右安田千代は昭和四三年七月一九日に死亡し、同女の右損害賠償請求権は同女の母である原告安藤たねが唯一の相続人として、これを相続したものであることは当事者間に争いがない。

八、よつて、原告両名の本件各請求のうち、被告両名に対し、原告安藤たねにおいて金六八三、九四五円及びこれに対する被告両名に対する訴状送達の日の翌日であること明らかな昭和四三年六月二日以降完済まで民法所定の年五分の割合による遅延損害金の支払いを求める部分、原告安田五郎において金四八二、〇九〇円及びこれに対する被告松岡は同人に対する本件訴状送達の翌日であること明らかな昭和四四年三月四日以降完済まで、被告守屋は同じく訴状送達の翌日であること明らかな同年三月一日以降完済までいずれも右同率の遅延損害金の支払いを求める部分はいずれも理由があるのでこれを認容し、その余の部分は失当であるからいずれもこれを棄却することとし、訴訟費用については民事訴訟法第八九条、第九二条本文、第九三条第一項本文を適用し、主文のとおり判決する。

(裁判官 若尾元 石藤太郎 西理)

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